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「カーボル、大丈夫か?お前、選ばれた」
ゴンボが教室の隅に転がっているカーボルを片手でひょいと抱き起こす。
クラリネとあまり変わらない、女の子かと思う程か細い体格の彼は、四人の中で一番子供らしい笑顔でボンゴにお礼を言った。
「あーびっくりしたあ。ありがとう」
黒髪に天使の輪を光らせた、いかにも気の弱そうな小さな声の彼に、リュートは不満な顔だ。
「なあ先生、俺とゴンボは当然として、クラリネもまあ分ります。
でもカーボルは無理だろ?人選ミスだよ」
「俺もそう思う。センシサイザー、それ、勇者育てる機械。カーボル、かわいそう」
「そうね、私カーボルに腕相撲で勝った事あるもん」
ゴンボとクラリネも心配そうだが、しかしノピア先生はえっへんと胸を張る。
「いやいやみなさん、カーボルの潜在能力の素晴らしさは他の先生方も認めておられるのです!
みなさんと共に、我が国の魔法使いとして最高の栄誉、五線の騎士を目指すに相応しい人材なのでありまーすっ!ねえ、カーボル?」
「そ、そうなんですか?」
「カーボル、そこは元気に、僕やります!って言うところ」
「……早めに次の奴を決めといた方がいいですよ、先生」
リュートとゴンボが肩をすくめた。
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