マリオスの手紙が届いたら

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「柊くん分かってるなら、このでかすぎる門を開けてよ」 「嫌だよ、関わるのめんどうだし」 「待ってよ柊くん、マリオスがしつこいの知ってるでしょ? 私がマリオスに会ったらどうなるか分かるでしょ? さっきまで忘れてたけど、一応幼なじみなんだから」 「……マリオスがしつこくあさひちゃんにつきまとって、あさひちゃんが俺にしつこく相談してきて、俺は超めんどくさい。小学一年の時から九年間俺は我慢したんだから、あとは自分でがんばりなよ」 「そんな、柊くん……!」 「帰りなよ、今のうちに」 「え、嘘? ちょっと待ってよ、家に入れてくれる理由今考えるから」 「近所迷惑なので、早急に帰ってください」 「近所迷惑だと思うなら、私をおうちにいれてよ!」 「無理。俺今からゲームやるし、それに……」  少し間があいてから、柊くんは話を続ける。 「今あさひちゃんを入れたら、あさひちゃんの後ろにいるマリオスも入れなきゃならなくなる」 「え……?」  くるっと振り向くと、背の高いマリオスがにかっと笑っていた。 「あさひちゃん」 「きゃああっ、マリオスだああっ!」 「……久しぶり、元気してた?」 「なんでいるのおお??」  私が悲鳴をあげると、でかい門がぎぎぎと開いた。カメラつきインターホンから柊くんの声がする。 「もう、ご近所迷惑すぎるので中にお入りください。仕方ないから」  ため息まじりの声を聞いた私はにこりとして、マリオスも微笑んだ。 「入ろうか、あさひちゃん」 「そうね」  二人で迷わずに門をくぐり、噴水のある庭を通り抜けて家の大きな扉を開けて中に入ると、広い広い廊下の先にある一番奥の部屋の扉から柊くんがひょこりと顔を出していた。
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