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部長がっ、あの部長がっ。
頬にキスとかっ。
いや、たまたま当たっただけかもっ。
佑茉は飛んで逃げてしまう。
「……嫌なのか」
「い、嫌ではないですっ。
ほんとにっ。
いや、ほんとにっ」
嫌ではないですっ、と繰り返しながらも、気がついたら、身を守るように、ボトルを構えてしまっていた。
しまったっ。
経験がなさすぎて、一歩進んだら、五十歩くらい後退してしまうっ!
「ほんとうに嫌じゃないんだな?」
念押しするように訊いてくる由人に、佑茉は竹刀のようにボトルを構えたまま、コクコクと頷く。
「じゃあ……」
と言いながら、由人は佑茉の片腕をつかんで、引き寄せた。
そっと口づけてくる。
き、緊張するっ。
頭、ぐるぐるしてきたっ、と思いながら、目を開けると、急に強引に出てきた由人が間近に佑茉を見つめて言う。
「とりあえず、今日から俺のところに引っ越してこい」
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