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次に鬼と人間の話を致しましょう。
鬼と人間は住み分けがされておりました。
鬼は自分達が人間から恐れられているのを知っていたので、人間達が住む村から離れ小さな集落を作り、人と同じ様に自給自足の生活をしておりました。
平和でした。
しかし鬼にも人間と同じように様々な性格の者がおります。基本的に荒事は好みませんが、中にはその容姿をいいように使い人々を驚かせ、米や農作物を奪う鬼も出て来たのです。
当然ながら、人間達は怒りました。
一部の鬼のせいで、全ての鬼が迫害されるようになり、次第にその数を減らしていったのでございます。
鬼の生き残りもあとわずかとなった時、とある鬼が人間の娘と結ばれるという俄に信じ難い出来事が起こりました。
産まれた子どもは二人。
一人は人間の姿をしておりますが、額に二本の角がはえております。そして後から産まれた一人は完全に鬼の姿をしていたのでございます。
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