鬼兄弟物語

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「もしかしたら国から派遣された領主が、国が定める以上の厳しい取り立てをしているのかも知れない……」 領主様は考えました。 しかし、已も領主ゆえ調べたり取り締まる事ができません。その事を知った兄鬼が、自分が行くと言い出しました。 「俺は身体を自由に小さくできる。その力を使って隣村の領主の館にしのびこんで調べてくる」 「でも危険だ。もし見付かったらただじゃ済まない」 「大丈夫、何とかなる」 「ううむ……」 領主様は鬼兄弟を危険に晒すのは嫌でしたが、これ以上民が増えてはこの村を収めるのも難しくなります。 「分かった。くれぐれも気を付けて」 こうして、鬼兄弟は隣村の領主の不正を暴くべく、動き出したのでございます。
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