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目立つので、弟鬼は日中は動けません。
「大丈夫だ、上手くやる。お前は村の手伝いをしっかりやって来い」
「兄者ぁ〜」
産まれて此の方一度も離れた事のない二人。弟鬼は心配でたまりません。他方、領主様のお役に立てる事を嬉しく思う兄鬼は張り切っております。弟鬼は、布で頭部を覆い角を隠した兄鬼を不安そうに見送りました。
半日かけて隣村に着いた兄鬼は驚きました。
水田も畑もそれなりに実っておりますし、商いなども盛んに行われているのに、民の顔に生気がありません。皆疲弊しきった暗い顔をしているのです。
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