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10. え。うそん?!
「そりゃあさあ、涼子ちゃんはピッチピチ~の10代の高校生だからさ~いいかもだけど・・・」
「いや、望さんは、すごく綺麗で美人で、お肌もピッチピチできっとモテモテだった(だろう)にも関わらず、身持ちが固い素敵な女性だっていうだけでからぁ・・・」
「だってアラサーなのよ・・・会社でお局様って呼ばれるの秒読みって言われててさ~・・・」
廊下の隅っこでイジけてしゃがむ望。
「そりゃあお付き合いのお誘いがなかったわけじゃないけど・・・」
「そ、そうですぞ、ノゾミ殿は私から見てもなかなかに魅力的な女性ですぞ!」
「そ、そうそう! だって私、最初見た時ぽ~ってなったもん。あんまり美人だから! 日本人でもこんなにきれいな人がいるんだーってさ。お付き合いしたいって思ったもん!」
「え?」「え!?」
「望さんより、私のほうが不味いですよ~。だって私ソッチですもん。大人の男性なんかに全く興味無いですからヤバいんですよ~? 聖女なんて出来るのか不安ですよ、あ、聖女は大丈夫か。存在が不安定になるだけかぁ。アハハ」
「えええぇ~!!」「?」
「だから学校も敢えて女子校でしたし」
テヘッと頭に手を置いて舌を出す涼子。
「涼子ちゃん・・・」
「?」
ここまで来て、問題発生・・・かもしれない・・・おじいちゃんは未だによく分かっていない。
×××
「つまり、リョーコ殿は男性に好意を感じられない人種という事で合っておりますか?」
曇り1つ無い大理石がツヤツヤ光る廊下で3人が正座で膝詰め談判中である。
「まぁとりま、そんな感じですかね。兄達は好きだけど、アレは異性じゃないし。いいな~好きだな~って思うのが女性だっていうだけで・・・」
「おうふ・・・」
おじいちゃんが目を回して倒れた。
気絶したおじいちゃんにそっと手を合わす望。
「ねえ、お付き合いした人は?」
「えーっと、日本では特には。フランスに行ったらそういう女友達はいるけど、皆本気じゃないし。プラトニックだし」
「プラトニックなのね・・・じゃあ、男性に全く興味がないの?」
「ないわけじゃないですね。でも女の子と比べたら可愛くないんですよね。硬いし汗臭いし。フランスの男の子も小さい時は天使みたいなのに、ちょっと見ないうちに動物園のゴリラみたくゴッツくなっちゃって可愛げがないっていうか。無理」
「大変だわ・・・いつまでも可愛いいまま存在してくれる男なんて世の中存在しないわよ。そのうち絶対にデカくなるし、ヒゲが生えるのよ」
「そうなんですよね~せめてそれさえなけりゃオッケーなんですけど・・・自分の相手がヒゲヅラのマッチョとかお断りですね。無理」
「絶望的だわね・・・」
望が頭を抱えた。
「永遠の美少年! が私の求める理想の男性像ですね~ショタなら尚良しです」
真剣な顔でグッと手を握りそう答える涼子。
迷いがない。
前途多難?・・・。
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