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『涼』と声をかけてから、俺はアジトを出て車に乗り込む。 俺の声を聞いた涼が、バイクに跨がると先に走り出した。 その後を煌弥が乗った車が走り、その後ろを俺が乗り込んだ車が走る。 煌弥は絶対に先には帰らない。 車に乗り込み待機しているのは、昔から変わらない事だ。 煌蓮総本部に着いてから、煌弥はエレベーターで、5階へと上がって行った。 俺が、1階のリビングに入ると『お疲れ』と声をかけてきた拓海。 俺も『お疲れ』と言って、定位置に座る。 先に戻って来た涼は、既にパソコンを操作している。 明日までに、今夜の事を報告書にして、煌弥に渡さないといけない。 「拓海、族のメンツ達のリストは、出来ているか?」 そう問い掛けると『もうすぐ出来る』と答えた拓海。 この時の俺は、なんの問題もないと思っていた。
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