(1)

23/38
前へ
/353ページ
次へ
「この先、お前達は普通にサラリーマンとして生きろ」 ガキの頃から、煌弥の親父を『親っさん』と呼んでいる。 可愛がってもらったけど、親っさんの言葉に『はい』とは答えなかった。 口数が少なく、仲間でも、キレたらボコボコにする煌弥だけど、俺と涼は(おとこ)として、煌弥に憧れているし尊敬もしている。 「この先も、煌弥と共に生きていきます。それは俺だけではなく涼も同じ気持ちです」 そう返すと『煌弥を頼む』と言った後、俺と涼に頭を下げた親っさん。 『俺は許可しねぇ』と言い切ったのは、煌弥。 その日の内に、親っさんが媒酌人となり、俺と涼は煌弥と盃を交わした。 極道の世界で言う兄弟盃。 この先、何があってもブレる事のない絆。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

308人が本棚に入れています
本棚に追加