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「きっと話しが長くなるから、ミネラルウォーターをもらって良い?」 玲ちゃんが、煌弥に問い掛けると『大和』と俺の名前を呼んだ。 ソファから立ち上がり、部屋にある冷蔵庫から500mlのミネラルウォーターのペットボトル5本を取り出す。 煌弥のデスクに、2本置いてから涼と拓海にも渡した。 その後、俺がソファに座ると話しを始めた玲ちゃん。 「大和が調べたように、私は1歳まで乳児院に居た。 その理由は、私は駅のコインロッカーに捨てられていたから」 玲ちゃんは、どこか他人の事のように話す。 心がない事は知っていたけど、此処まで言葉に感情がないとは想像していなかった。
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