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「今から話すのは、私自身が調べ上げた事と記憶を頼りに話す」 玲ちゃんの言葉に俺も涼も拓海も、再び頷いた。 それを確認した玲ちゃんが、また話す。 「1歳になった私は、ある施設に行く事になった。 その施設は、大和が調べた施設ではない。 1歳から12歳まで、ある施設に居た私は、その間、スナイパーとしての訓練をさせられた。 だから、この5階から逃げ出す事が出来たのも、物心ついた時から身についたもの。 言われた事を覚えないと、竹刀で殴られたり、密室に閉じ込められ、何日も食事を与えてもらえない時もあった。 生きていく為には、どんな事でも熟していくしかなかった」 まさか……? そんな事が現実にあるのか……? 疑問符が頭の中に浮かんできたが、今は玲ちゃんの話しを聞く事が優先だ。
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