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「今夜は、煌弥も俺達も忙しい」
そう言ったのは、夕食を持ってきた茶髪の男子。
「食器は明日の朝、取りに来るから、ドアの傍にでも置いといて」
茶髪の男子の言葉を聞いて、此処を出て行くのは今夜しかないと思った。
『明日はメンツ達にも会わせるって煌弥が言っていた』と言った後、茶髪の男子は部屋を出て行った。
家具はベッドと3段のチェストしかないから、絨毯の上に座り、ゆっくり夕食を食べながら、耳で音を拾っていく。
何を話しているのかまでは分からないけど、1階の敷地から声が聞こえてきた。
1人ではない。
10人以上は居る。
夕食を食べ終えた後、バスルームへと向かう。
浴室に入って、シャンプー、コンディショナー、ボディソープの匂いを嗅ぐ。
"匂いがある物は、全てアウト"
私の中に眠っている野生の勘が働いたのが分かった。
バスルームから出て、ベランダに出れる窓際に向かう。
窓際に立ち、5階から見える、ある部分に集中する。
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