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塀の所に来て分かったのは、高さが3メートル以上ある事。 だけど、側には背の高い木が植えられていた。 その木によじ登り、塀の高さまで着くと、塀を飛び越える様に、ジャンプする。 空中回転をした身体は、上手く地面に着地出来た。 休憩する事なく駆け出す。 私には帰らないといけない場所がある。 ふと、そう思い、また疑問符が頭の中に浮かんだ。 何処に帰ると言うのだろう……? 私の足は何処に向かっているのだろう……? 疑問に思っても、答えなんて分からない。 なら、本能のまま走るのみ。 そうやって私は生きてきたはず。 まるで、華から華へと、飛ぶ蝶の様に……
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