雪は冷たく、そして静かに見守る

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(まるで私みたい......) 想っても想っても......私はなにも伝えられない。 ──伝えてしまえば、もう今の関係ではいられないのだ。 ......もしかすれば、この想いが叶うかもしれない。 だが、もしかすればこの想いは後悔に繋がるかもしれない......。 そう思うと口に出せないままでいる。 今までの、この関係の、何もかもが壊れてしまう.....。もう後悔しても意味のない関係......。 そんな未来になるならば、私は切ない今を望む。例え辛くとも、悲しくとも、未来の私が今の変化を切望しても......それでも、少しでもこの人の横にいたかった。 私の心にある恋心と理性は平行線のまま、交わらずにいた。 純白に化粧されたこの世界で、車が残していった轍は黒い道路を露出させ、まるで私の、健気な恋心を盾にした性格の悪い自己中心的な私の考えを表しているようだった。 「──あっ。やっときた」 そんなことを思い勝手に黄昏れていると、隣からそう聞こえ私は首を回し道路の奥に視線を移す。 すると、そこには黄色いヘッドライトを灯しながらゆっくりとこちらに向かってくるバスがあった。 86798c3b-1e3c-4798-b638-26c5f78b4a47
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