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満足そうな表情をして眠っているコロ。
可愛いね。
私に命令されてばかりいるのは、嫌なときもいっぱいあったんだろうね。
ごめんね。一方的に命令される立場になったら、私だって嫌だものね。
嫌でも言うことをきかないと、御飯をもらえなかったり嫌われるかもしれないんだったら、ガマンするしかないものね。
私、そんな風に無理をさせてたこと、あったかな・・・
あったかもしれないね。
ごめんね。
それに、私を助けてくれてありがとう!
コロのアタマをそっと撫でた。
寝息が聞こえる。
寝息は、これまでと変わりなく、耳から聞こえてくる。
コロはムニューっと伸びをした…目が覚めたらしい。
私の方をチラッと見て、ニーと笑った。
コロは夢のことを覚えているのかしら。
それとも私が夢を忘れちゃうように、
コロも目が醒めたら夢で見たことなどすっかり忘れているのかしら。
いつもと変わらないクリクリした可愛い瞳…
キュインキュイン・・・
甘えた声を出して私を見上げている…
可愛いいつものコロの瞳・・・
私、コロを抱きしめた
「コロ、私、いつもエラそうにコロに命令ばかりしていたよね。
ごめんね、ごめんね!」
キョトンと見上げるコロに何度も頬ずりした。
「コロ、これからもずっとずっと仲良しでいようね!」
あの夢のことを思い出すと、
今でも私の心はドキドキと震えちゃうのだけれど、
コロと私は前よりずっと仲良くなったのよ。
(完)
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