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突然私は暗黒の中の不思議な空間に浮かんでいた。
いや、浮かんでいたのか、立っていたのか、よくわからない。
とにかく真っ暗なところに、私は存在していた。
少し寒い。
すぐにそこはコロの夢の中だということが分かった。
だんだんはっきりとわかるようになってきた。
眼で見るのではなく、感じる。
耳で聞くのではなくて感じる。
はっきりと感じることができる。
そういう空間だった。
そこにはコロがいた。
コロが君臨していた。
何と、そこではコロが私を支配していた。
私はコロの気持ちを感じ取ることができた。
そしてコロも私の思考を読み取ることができた。
コロも私も、すべてを感じ取ることができた。
夢の中のコロは私の主、私はコロのペットだった。
コロの足元に跪き、媚びてご褒美をねだるペットだった。
コロが手を差し出せば「お手」をした。
「ターン!」と言われればクルクルとまわって見せた。
目が回るよ。早く終わらせてくれないかな。
コロはさんざん私を焦らせたり、からかったりして、気持ち良さそうに笑っていた。
それでも私はコロの足元にすりよって、コロにご褒美をねだっていた。
コロが私のお腹を撫でてくれると、ウットリとした表情でヨダレを垂らしていた。
そんな私のことをコロは笑っていた。
ウットリとヨダレを垂らす私をみて、身体を震るわせて笑っていた。
夢の中の私、ちょっと情けなくて嫌だな。
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