4人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前で地図を広げられ、法律書を開かれ、マナー教本なるものを与えられて、改めて夏美はわかったことを整理する。
ここがまず、日本のあったあの地球とは全く異なる世界であること。当然ながら社会情勢も、治安も、法律も秩序もすべて異なる。特に今は治安が悪いため、女一人で外を歩くのは大変危険だという。
「今回はたまたま衛兵たちがその場にいましたが、誰も見ていなければ最悪殺されていたかもしれませんよ」
「そ、そうだったんですか……」
(なんて怖い世界……!)
「あと、そのような珍妙な格好で歩いてはなりません。あまり露出が多い格好をすると、売春婦だと思われてしまいます。捕まりますよ」
「は、はい、すみません……」
(そうなんだ、この国は結構肌の露出に厳しいんだな……)
「着替えを用意させますので、着替えましょうか。この部屋を出る前にお召し物を変えておかねば、怪しい目で見られます。少しお待ち下さいね」
そう言うと、ソンジは立ち上がり部屋を出た。
少しして、ドレスを抱えた数人のメイドとともにやってくる。
最初のコメントを投稿しよう!