異世界に、アレ持ってきちゃいました。

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 目の前で地図を広げられ、法律書を開かれ、マナー教本なるものを与えられて、改めて夏美はわかったことを整理する。  ここがまず、日本のあったあの地球とは全く異なる世界であること。当然ながら社会情勢も、治安も、法律も秩序もすべて異なる。特に今は治安が悪いため、女一人で外を歩くのは大変危険だという。 「今回はたまたま衛兵たちがその場にいましたが、誰も見ていなければ最悪殺されていたかもしれませんよ」 「そ、そうだったんですか……」 (なんて怖い世界……!) 「あと、そのような珍妙な格好で歩いてはなりません。あまり露出が多い格好をすると、売春婦だと思われてしまいます。捕まりますよ」 「は、はい、すみません……」 (そうなんだ、この国は結構肌の露出に厳しいんだな……) 「着替えを用意させますので、着替えましょうか。この部屋を出る前にお召し物を変えておかねば、怪しい目で見られます。少しお待ち下さいね」  そう言うと、ソンジは立ち上がり部屋を出た。  少しして、ドレスを抱えた数人のメイドとともにやってくる。
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