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「ソンジさん!? ま、まさかそれって……」
「ええ。それが、この国で来賓として扱われるための対価です」
「な、なんで……っ」
「私たってのお願いです。どうか……」
ソンジがうるうるとした眼差しでこちらを見てくる。
(こ、この眼差し……! ソンジさんってば、憎いなぁ……!)
といいつつも夏美は、ノリノリであった。
合法的にあの男とセックスができるのだ。相性はこれまで経験した中でダントツ一位。こちらから誘うための口実を作らなくても、雰囲気を作ることすらしなくても、ただ「ソンジさんに言われたから」と言って部屋に押し入ってベッドに押し倒せばいいのだ。
「で、でも、その……なんでですか?」
一応諸手を上げて引き受けるのはプライドが許さないので、理由を聞いておく。
すると意外にも、ソンジは深い溜め息をついて悲しげな表情を浮かべた。
「アイザック様は、この城の中で安眠できないそうなのです。城の中は、自分の命を狙うものばかりですからね。それで、夜な夜な城を抜け出して、ああいうふうに他人のぬくもりを感じて眠られることも多く……」
「え……それって、毎晩違う女の人と……?」
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