第壱章 花ノ宮女学院

2/4
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 私、紅ノ蔵櫻子は、今戸惑っている。なぜなら、 「ねえ!聞いてくださる!史靖(シノブ)様が今日いらっしゃるのよ!!」 親友と呼べる仲の伊集院美夜ノが、私が講堂を出るなり駆け寄ってきていった。 「良かったじゃない。」 私はいつものように落ち着いて答えた。史靖、は美夜ノの許嫁での将校である。 「もう!櫻子さんはいつも冷静なのね!まあいいわ!嬉しい!ごめんなさいね。青山先生との話、聞いちゃったのよ。私と同じ役割だわ!一緒に歩きましょう!」 興奮している美夜ノを微笑ましく思うとともに羨ましく思った。私はこんなふうにははしゃげない。 私はその気持を隠して微笑んだ。 「そうね。行きましょう。史靖様とはどちらで集合なの?」 「第二玄関前に11時ですわ。」 「じゃあまだ時間はあるわね。それまでは校内を回りましょう。」 「行きましょ!」 私達は校内を歩き出した。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!