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私、紅ノ蔵櫻子は、今戸惑っている。なぜなら、
「ねえ!聞いてくださる!史靖(シノブ)様が今日いらっしゃるのよ!!」
親友と呼べる仲の伊集院美夜ノが、私が講堂を出るなり駆け寄ってきていった。
「良かったじゃない。」
私はいつものように落ち着いて答えた。史靖、は美夜ノの許嫁での将校である。
「もう!櫻子さんはいつも冷静なのね!まあいいわ!嬉しい!ごめんなさいね。青山先生との話、聞いちゃったのよ。私と同じ役割だわ!一緒に歩きましょう!」
興奮している美夜ノを微笑ましく思うとともに羨ましく思った。私はこんなふうにははしゃげない。
私はその気持を隠して微笑んだ。
「そうね。行きましょう。史靖様とはどちらで集合なの?」
「第二玄関前に11時ですわ。」
「じゃあまだ時間はあるわね。それまでは校内を回りましょう。」
「行きましょ!」
私達は校内を歩き出した。
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