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そこに見えたのは、悲惨な私の部屋だった。
「どうして...」
戸締まりはきちんとしていったはずなのに。
とりあえず私は窓などが割られていないか確かめに行くことにした。窓は割れていない。まあ、家のドアというのは針金で開けれることがあるし、私結構留守にしていたから、入りどきだったのかも。
私が住んでいるのは、そこらへんにあるような普通のアパート。別に高級なものを持っているという訳では無いが、まあ、そこそこお金はある。
でも私が警察官をしてることを知っている人なんて、私の警察仲間と、今まで捕まえてきたたくさんの容疑者と、家族とこのアパートの管理員だけだと思うけど。もしかしてこの中に、犯人がいるのか?
とりあえず私はなにかなくなっているかも知れないから部屋の中を回った。
やっぱりお金は盗まれている。不幸中の幸いというやつだ。今日銀行に預けてから買い物に行ったのだ。良かった...まあ盗まれたのはざっと10万円ほどだ。
他にも盗まれていた。そこらへんに飾っていた少し高そうなもの。衣類。警察の制服も。あとは、筆記用具とかシャワーヘッドもペンチみたいなんで切られている。洗剤とか写真立てとか、諸々盗まれていた。私はショックを受けるより先に、こんな重い荷物をどうやって持って帰ったのだろうと疑問に思った。女性がこんなに重いものを持っていくというのは不可能に過ぎない。私がショッピングモールに行くために出発した時間は、9時で帰ってきたのが12時だ。まあ犯行には十分時間がある。
「あっ」
私大変なことを忘れていた。呼ばれてたんだ。
この状態では行こうと思ってもいけないよ。だから電話した。
「すみません、家に泥棒が入ってメタメタにされてしまって、今それどころではありません。」
「分かった。では、君の事件と同時進行で進めていく。そっちにもAとBとCを送っておく。それまでだいたいのことをまとめておけ。」
「わかりました」
とりあえず警察として、色々しなければなぁ。
まさか自分の家が今までも家みたいに被害にあうとは思いもしなかった。にしても、ちょっとやばすぎる。片付けもそうだけど、私そんなお金持ってないし。警察なのに被害届出すのもなんか変。
トン、トン、トン
やっと来た。
「大丈夫ですか!」
「はい、私は被害にあっていないので大丈夫なんですが」
そして私はあたりを見回した。
A、B、Cは呆然と突っ立っている。
「家の修理の方が大丈夫じゃないんですよ。」
「本当ですね」
「被害届出しますか」
「いや、でもなんか被害届出すのおかしくないですか」
「今回はあなたが被害にあったのですから被害届を出すのは普通でしょう。身分とか職業とかは関係ないんですよ。」
「わかりました。それでは一通り片付けたら被害届出してきます。」
「まずは色々なところに指紋がついているか確認しましょう。」
「該当する人はいますか。」
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