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二人きりのお祝い
「ハッピーバースデーふーたりー♪」
「ばーか。その歌じゃねえよ。
タラララーン、タラララーン♪
タラララ! ララララ!
ララララ! タラララ!
タラララーンラーン ラ ラ・ラ・ラ・ラ
チャー チャッ ちゃりらっ♪」
両手を指揮者のように振りながら健二が歌い終わったとき、二人は目を合わせて同時に吹いた。すると、ミルクレープにむりやり立てたロウソクの火がふっと消えた。
「うわっ! 栞すげえ!」
「なにが?」
「鼻息で消すとは!」
「それ健二のじゃないのー!!」
コンビニで買ったケーキとおでんを前に、二人は笑いあった。健二の六畳一間に明るい笑い声が充ちて、とても、幸せだった。
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