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深夜
その夜、栞は深夜にトイレに起きた。
トイレは健二の向こう側だった。
健二が、「女の子をトイレの前になんか寝かせられない。」と言って、そちら側に寝たのだ。
明かりを点けようとした栞は手を止めた。健二を起こしてはいけないと思ったのだ。
新月の晩だった。
栞は当てずっぽうにトイレを目指した。
「んっ?」
なにか踏んだ感触があった。
目を凝らしたが、なにぶん新月の晩なので、よくわからない。
栞はそのまま反対側の足を踏み出して手を伸ばし、トイレを探り当てた。
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