初夜の次の夜

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初夜の次の夜

「一緒に……『お勉強』するんでしょう?」  見上げた藤孝(ふじたか)様の顔は赤く、私も同じように顔が熱くなる。  涙はすっかり乾いてしまった。  大きな手で、優しく髪を拭いてもらい、私は手早く、髪をおさげに編んだ。 「へぇぇ、鏡も見ないで、自分の髪を編めるものなんだ。  本当に櫻子(さくらこ)さんは、器用だな」  いそいそと、敷いてあるお布団の上に座って、藤孝様は私の手元を不思議そうに見つめている。 「女子ならば、このくらい、何ということも、ございませんわよ」  藤孝様から、紙を()じるのに使う、つづり(ひも)を借りておさげを留めると、私も藤孝様と同じお布団に入った。    いよいよ、なんだわ。  昨日よりも緊張しちゃう。  昨日は結婚式の後でもあり、豪華な洋式のホテルで、日常とはかけ離れていて興奮していたのもある。  しかも、私の奇怪なを、また見られるのかと思うと、身体が固くなった。 「櫻子さん……好きだ」  藤孝様は私の名前を呼ぶと、甘い口づけをして、手を震わせながら浴衣の帯にしている伊達締(だてじ)めを解く。  わっ、もう?  もう脱がせるの?  荒い息遣いになっていく藤孝様のことが、ちょっと怖くなりながらも、私は激しくなっていく口づけに応じるのに必死だった。 「……っん、……はぁっ」 「あぁ……櫻子さんっ、可愛いよ……僕のっ……お嫁さん……」
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