184人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさい、藤孝様。
お怒りにならないで」
藤孝様に窘められて、自分でも見せたいのか、見せたくないのか、矛盾した行動が、すごく恥ずかしくなる。
私はいつもこうだ。
深く考える前に、とりあえず身体が動いてしまう。
「ワタクシ、自分のめしべが、どのようになっているか、見たことがなかったんですの。
だから、さっき鏡で見てみましたら……すっごくヘンなんですもの。
藤孝様に……嫌われたくないのです」
私は、藤孝様の胸の中で、泣きたい気持ちになりながら訴えた。
「はぁー」
頭の上から、深いため息が聞こえる。
やはり、嫌われてしまったのかしら?
だって昨日の夜、帝国ホテルの大きな寝台(※ベッド)で、藤孝様は私のヘンなところに、長い指を入れてじっくり観察してらしたもの……。
アソコに指が入ると、すごく気持ちがよくて、おかしな気分になってしまったから、余計、私がヘンだと思われたんだわ。きっと。
「嫌いになるわけ、ないじゃないですか」
涙目になった私が見上げると、藤孝様は優しく微笑んだ。
「櫻子さんは、すべてが美しくて可愛い、僕のお嫁さんなんだから」
「藤孝様……」
私は、固くて広い藤孝様の胸の中に、しっかりと身をゆだねる。
あぁ、やっぱり藤孝様が大好きだわ。
あんな奇怪な部分も、受け入れてくださるなんて。
だけど、なるべくもう、あの部分は見せたくない……。
最初のコメントを投稿しよう!