誠一side

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誠一side

誠一はブロックされた電話を 握り締めたまま、呆然と立ち尽くしていた ...当たり前の反応だよな... 過去の自分の行いを思い出し悔いた こんなドン底になるまで分からなかったよ 手の届かないと思っていた高嶺の花が 目の前に現れ手に入った... 沙耶を抱けた喜びで有頂天になって 歯止めが効かなくなり 周りが見えなくなってしまったんだ 表面の美しさにばかり目を奪われて 本質を見極める事が出来なかった 何十年もだよ‼︎ 心底馬鹿だと思ったよ 優子は沙耶より、だった 今頃気付くなんて! 僕は愚か者だよ... これからは 誠や俊に尊敬される父親になる為 少しずつ努力を重ねていくつもりだ いつか会えた時に、恥ずかしくない父親で いられる為の努力を... まだ間に合うだろうか? 会いに行ける日は来るだろうか? もう...ないかも... いや、いつか会いたい 会って子供達に詫びたい... 誠一は自問自答しながら 優子、誠、俊、本当に済まなかった! 許して欲しい!このとおりだ... 感情が高ぶり こぼれ落ちる涙を拭おうともせず とっくに切れている電話に向かって ていた誠一は 深々と頭を下げた後、膝から崩れ落ちた 終
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