練習

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「女と言っても女仙限定だ。そう言う対象として見られなければ問題ない。だから渋々ではあったものの、お主の事を弟子にした」 「あー、そう言う事ですか」  言われてみれば颯懍は、私に限らず俗世の女性は大丈夫だ。時折助けてくれた御礼にと、酒などをご馳走様してくれる人がいるけれど、そう言う時には女性が近くにいても平気そうにしている。  それはいくら颯懍が美男子でも、俗世の女性が仙人である颯懍とどうこう、なんて少し妄想してみても、本気では考えないからだ。  蛇に睨まれた蛙  と前に言っていたけど、颯懍を狙う蛇になりようもない女性なら平気ってことか。  確かに私は日頃からかっこいいだの何だのとは言っていても、師匠と弟子と言う立場からの発言に過ぎない。  それなら私は颯懍に嫌煙されない、貴重な道士って事だ。  なんだか頭に、良い考えが浮かんできた! 「師匠、それなら私を練習に使ってください」 「練習? 何で術の練習に俺がお主を使うんだ。普通逆だろう」 「違いますよ。房中術の練習にです」  がったーーんっ! と見事に颯懍は、座っていた椅子から転げ落ちた。あんまりにも綺麗に落ちたので、寸劇か何かのひと場面のようだった。 「なななななにを言ってるんだ、さっきから! 前々から思っていたが、お主の思考回路はどうなっているんだ? 寝言は寝て言え」 「師匠。私、真剣に言っているんです。師匠だっていつも言っているでは無いですか。下手なら兎に角練習だって。本番に備えてきちんと練習をしておけば、師匠のアソコだって応えてくれますよ!」 「そうは言ってもだな……」 「だーい丈夫です!! ご心配には及びません。なぜなら私、そういう経験一切ないので上手いとか下手とか分かりません。師匠が下手だって分かってる分、ちゃんと心の準備もできますから安心して下さい」
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