師匠との関係

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 やって来たのは、私が勝手に足を踏み入れてしまった薬草畑。  颯懍のところで家具を作っているように、可馨の屋敷では仙薬を作るのに必要な材料を置いて生計を立てているらしい。薬草については畑で育てていて、普段よく使う薬草から、見たことのない珍しいものまであって楽しい。  俊豪は可馨の屋敷で働いている使用人の人達にテキパキと指示を出すと、私にも仕事を割り当ててくれた。  私は言われるがまま、雑草を引っこ抜いたり、余計に生えすぎている芽を間引いたり、堆肥を土に混ぜ込んで植える場所を作ったりと、あっという間に時間が過ぎていった。 「疲れたでしょう。休憩にしましょう」  可馨に声を掛けられて、もう昼食の時間になっていることに気が付いた。食堂へと案内されると、すでに他の使用人によって点心と茶が用意されている。  蒸し立てほかほかの包子(パオズ)を割ると、中には炒めた菜葉が入っていた。大蒜のいい香りと、唐辛子がちょこっとだけ効いていて美味しい。しかも松の実が入っているのがいいアクセントだ。  もう一つの方には甘辛く炒め煮された蓮根が入っていて、こちらもシャキシャキと食感が良くてどんどん食べれてしまう。 「うちの料理はどうかしら。お口にあう?」 「はい、すっごく美味しいです。家だと男メシって感じで豪快なので」  颯懍の屋敷に女は自分一人しかいない。使用人のみんなが作る家具は繊細で美しいのに、料理となると結構ざっくりとしている。大体の料理が適当にカットした野菜をえーいっと炒めただけだ。    だから私が家に住むようになってからは、少しずつみんなに料理の仕方を教えてレパートリーを増やしてもらっているところ。
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