鍋とビール

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ーー 家に着くと、駆馬はすぐに晩ご飯の支度をしてくれた。 その間に私はお風呂に入る。 ほかほかに温まった体に、もこもこの部屋着を纏う。 普段は下の方でリボンでまとめている腰まである髪を乾かし、緩い三つ編みにして肩から前に垂らす。 リビングに行くと、暖房で温められている部屋に美味しそうな匂いが漂っていた。 「あ、お帰り! いい感じに煮えたとこだよ。何からでも食べられる!」 「寄せ鍋だ」 「正解! いろいろあるよ。白菜、長ねぎ、ニンジン、シイタケ、エノキ、鶏肉、春菊、豆腐……。あ、うどんも足せるよ」 シイタケやニンジンは丁寧にも飾り切りまでしている。 相変わらず器用なことで。 「豆腐」 「うんうん、食べようね~。運ぶからちょっと離れてて。危ないよ」 駆馬はミトンを嵌めて、キッチンからテーブルに準備されているカセットコンロへ鍋を運んだ。 カセットコンロの火を弱火にしてミトンを外しながら戻って来ると、冷蔵庫からビールとお茶を出した。 駆馬はまだお酒が飲める年ではないから、ビールを飲むのは私だけ。 駆馬はテーブルに戻ると、私のグラスにビールを注いでくれた。 「はい、準備完了! さぁ食べよう!」 私は駆馬の正面に座り、手を合わせた。 「「いただきます」」
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