このふたりきりの夜に愛をこめて

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 トワイライトが違和感を感じたのは、食べ始めてしばらく経ってからだった。 「……どうしましたか、アスさん。味がよくありませんでしたか?」 「え、なにが?」 「食事のスピードが、いつもより遅いようでしたので」 「あ、え、そうかな? いつも通り食べてるつもりなんだけど」  いつもならそろそろ食べ終わっているだろうかという頃になっても、アステリズムの前に置かれたお皿には、まだ半分以上オムライスが残っている。 「作り直しましょうか?」 「あっ、ううん____あ、でも、どうしようかな」  アステリズムはちらっと大時計を見て、それからお皿に目を落として、じっと考え込んだ。 「私はどちらでも構いませんよ」 「ええっと……うーんと、じゃあ、お願いしようかな……このオムライス、捨てちゃったりしないよね?」 「ええ、私が『お受け取り』しますよ」 「じゃあ、お願い」 「承りました」  トワイライトはふっと立ち上がり、アステリズムから月食になったオムライスを受け取る。  厨房にその背中が消えていくのを見送ったあと、アステリズムは「うんん~……」と唸り声をあげながら、テーブルの上につっぷし、ぐっと腕を伸ばした。  まん丸のふっくらした白い頬を、ひんやり冷たいテーブルにぺたっとくっつける。 「失敗しちゃったかなぁ……ごめんね、トワイライトさん」
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