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ー星雲第二拠点にて。
「アンバー、慣れない長旅だっただろう部屋を用意してある。少し休んでいてくれ。」
「は、はい、ありがとうございますっ」
(へ、部屋ってどこぉ…)
「 右向いて正面の部屋だ。」
「うおっ、あ、ありがとうございます…」
扉が大きい。しんとした空間、オレンジ色の太陽の影。
アンバーはひとまず荷物を整理することにした。
ー 一方その頃ー
「…やはりこちらでもあの災いが?」
「…はぁ…そうだ。私では食い止めることができなかった。」
「……。」
「だが、シリウスが希望を送ってくれた。あの子がいれば少なくとも未来は…」
「ええ、そうですね。しかしながら彼女の今の状態は完全とは言えません。
シリウス様が一時的に彼女の記憶を操作しています。過度のストレスで我を失うことも考えられます故、今回…」
ガタンと大きな音を立てて扉が開かれた。
「すみません!あのお絨毯にお茶こぼしちゃって…、もしかして重要なお話し中でしたか。。。?」
「いえいえ、お気になさらず。今すぐ対処いたします。」
アンバーの心はまたもや穏やかでなくなった。
(や、やらかしたあ、、、絶対大事な話の途中だったよこれえ…)
「アンバー、お前は魔女になりたがっているとシリウスから聞いているが、」
「まあ、そうですね。でもわたし魔法もなにもできないのですが、、、本当になれるのでしょうか。。。」
下にやっていた目線をちらりとセシルのほうへ向けた。
ー どこか遠くを見るような視線。
しかし、どこか力強いような雰囲気を感じた。
「なに、此度はお前に魔法を教えるために逢っているのだが。」
本当にできるのか?そんな言葉が頭のなかに渦巻いて離れない。
確かに旅の目的のひとつに『一人前の魔女になること』を承諾したけれど、
いざ魔法を習うことになったら、、、
不安が途切れることなく湧いてくる。
「何を心配してる?お前は冬の賢者の中で一番有能な魔女とその補助の弟子なんだろう?」
「ふゆのけんじゃ?」
「ふむ、知らなかったか。まあシリウスなら、、、説明する訳がないな。」
(一番有能。。。どっちも?あのネジ外れてる人と水かけじj、男が?)
「まあいいか。お前の滞在中には説明する。とにかく心配はする必要ない。」
(なにそれ気になるじゃんっ‼教えてよっ‼)
いつの間にか時は過ぎ、月が雲より顔をのぞかせていた。
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