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♯04. デリケート R
「ほら。ここが緋名子の弱いところだ」
背後からひとのことをぎゅうぎゅうと突き刺しておいてウィスパーボイスであまったるく低音を響かせる。
いやなやつだ。
「ほんと、……イきやすい女」
「……っ……」
「全身が性感帯だな。おまえってほんと、エロすぎる」
何度も高い波に攫われて自分を見失う。そんなときにもどうしてあなたは強く抱きしめてくれるの。
好きだよ、なんて言って腰を振ってキスを見舞う。そんな……恋人めいた行為などよして。
「また、……イったな……緋名子はえっちだな……」
それまで、行為なんて、ただの、男の欲を満たす行為でしかなかったのに。
あたしの価値観をがらりと変えておいてあなたは、あたしの前から消えた。
――氷堂の馬鹿。
「もっと……緋名子の声、聞かせて……」狂おしくあたしを抱きしめて彼は言う。「緋名子の声、おれ、好き……もっと見せて……緋名子のこと……」
* * *
夢にまで見るたぁ重症だな。
挙句、とんでもないことになっとるやん。
夢精ってあんた、中学生ですかいな。
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