♯04. デリケート R

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 昔流行ったスカートめくりを思い起こさせた。……いやあんなん、ガチでやっとるやつなんか、誰もおらんかったですがな。  おー、すげー、と男子たちが嬉々とした声をあげる様子を勿論女子たちもしっかりとチェックしている。飲み会のさなか、酒の勢いも手伝ってみんなの声は必然大きくなる。 「やだぁー。氷堂くんって鍛えてる系?」  彼らに近づいて真っ先に声をかける勇者はマリリンだ。躊躇ねえな。 「……ま。一応」男たちに腹をぺたぺたと触らせたままに氷堂は、「小さいころからサッカーやってたから。大学入るとからだがなまるから、週三でジム通いを続けてはいるんだ」 「わぁすっごーい」わざとらしい高い声をあげるマリリンは絶対あたしの存在を意識しているよね。くだらん。「ねえ。あたしにも触らせて?」  男子たちとマリリンに囲まれた氷堂がちらっ……とあたしを見た。ように思えた。  彼は小さく目配せをし、 「それは惚れた女限定」  * * *  一度からだの関係を持った相手は、惚れた女に該当するのでしょうか?
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