♯04. デリケート R

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 恋愛とは常にデリケートな問題を孕む。人間は、自己顕示欲の塊である。SNSなんかを見ているとよーく分かる。  誰しも自分を見て欲しいし、認めて貰えると嬉しい。  ましてや、相手が……。  あんたみたいな男ならなおのことだ。ばっきゃろ。  うぅうー。こちとら、四ヶ月後に結婚式を控えた花嫁なんですが!! ぐらぐらタイタニックみたいに揺らさないで貰えません??  そしてあたしの秘書はよりによって部長秘書なので。次期部長であるあんたと話をする機会は必然増えるに違いない。  同居する婚約者の顔が思い出される。……こーちゃん。あなたは裏切りたくないわ。  あんなに家事も一生懸命にしてくれて。――くれてる。  でも、あたしには、んだけれど。  ああう。生きていくのって大変。常に、悩みが満載で。わしゃわしゃガスタンクを積んだトラックみたい。  そしてあたしはすました顔をして自席へと戻り、コピー用紙をくっしゃくしゃに丸めるとゴミ箱にぽいして、ロック画面にパスワードを打ち込んで業務を再開した。また外線が鳴ったので秒で電話に出る。
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