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となると、なんだ?
頭を動かせ氷堂。
考えるときはひとはどうしようもなく、非道になれる。
情を失い、俯瞰し、冷徹に物事を判断する。
時間にして三秒。おれの思考はあるほうへとぶち当たった。
「不能。……だからほかの男に抱かれてもいい、とでも言われたのか?」
核心を突いた。きみはふふふと笑った。「だからって、……どうというわけでもないんだけど。
ただ、単純に。
受け入れられないってだけ。
……そこを除けばすごく……いいひとなんだけれど……」
その若さでセックスレスか。致命的だ。
大概、その欠点さえなければ、と言える欠点は、誰にもどうにも出来ない。
その重大な欠点があってこそ、その人間の人間性は成り立っており、ゆえに、仮に、外でいいひとであったとしても、そんなのはただの傲慢だ。重大な欠点に向き合ったうえで考えに考えて、相手を傷つけぬ方策を考えねばならない。
その努力をあいつは、放棄した。
情シスの高原直樹。……おれの惚れに惚れぬいた女に先に手をつけた宿敵。
あいつがそんな重大な欠点を持っていたとは……。
「……花谷。
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