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「馬鹿氷堂。……もう、無理……」
さんざんいかせておいて更にいかせる。
おれのサディスティック趣味は、加速するばかりだ。
おまえのことを貫いて、最奥まで探って開きに開かせる。
全細胞が、歓喜に沸く。こんな感動は、初めてだ。
どんな仕事を達成しても味わえない快感をいま、味わっている。
「好きだよ緋名子。……好きだ……愛している……」
汗ばんだ首筋を吸う。それから、耳たぶを貪り懸命に愛を訴えかける。――最初から、好きだった。
入社して初めておまえを見かけたときに、稲妻のようななにかが胸を走った。
雷に打たれたような衝撃を食らったのは生まれて初めてだった。
そんな女の中をおれは――泳いでいる。
止められない、愛の渦のなかで。
「……っ、あっ……ああ……っ……っ……!!」
激しい絶頂のさなか、おまえは涙を流す。
つい、五時間前に流していた涙とは別種の涙だ。
おれはひどい男だから、おまえのことをもっともっと探りたいんだ。
許してくれとは言わない。おまえを……愛している。
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