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深く深く貫いてからだをべったりと密着させ、おまえの余韻も余白も全部全部味わいこんでやる。おまえの絶頂はおれのものだ。
愛している。おまえのすべてをおれに……曝せ。
ぶつけろ。暴力的なまでに。
自分のなかのマグマの塊のような情熱が潜んでいて、それを、一晩中暴れさせた。
官能的に、情熱的に応じるおまえは、女神のように美しかった。
追い求めて、感じて、食らって。押し返してもまた寄せる愛の波のなかで。自分を追い求め、殺し、おまえのことを探っていく。
こんなにもおれの腕のなかで乱れるおまえのことが、……どうしようもなく、愛おしかったんだよ。
* * *
うっかり寝こけていた。
ベッドサイドには、メモが残されていた。
『ありがとう。さよなら』
くそ、と呟いて急いでベッドを抜け出た。そこらへんに放り散らかされた衣類を身に着け、スマホを探し、急いで電話をする。
……が。
永久に、おまえと連絡が取れることはなかった。
会社で見かけてもおまえは普通の同僚の顔を貫き、一切反応しなかった。
おれが見たのは幻だったのか? ――いや違う。何故なら。
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