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「お義兄さん?」
「ああ、いやごめん」
高志は、まだ少し含み笑いをしながら、瑠璃に小声で話しかける。
「俺さ、最初は衝撃受けたんだよ。ごきげんようって本当に言う人いるんだ!って」
ああ、と瑠璃は頷く。
この学校では、毎日当たり前のように使っている言葉が、実は普通ではないのだということは、瑠璃も自覚していた。
(やはり私達の感覚って、世間とは少しズレているのかな…)
料理を盛りつけながら、瑠璃は高志に聞いてみる。
「お義兄さんは、どうして姉さんを選んだの?もっと他の…何ていうか、ごきげんようって使わない、時代の最先端をゆく女性との結婚は、考えなかったの?」
率直な質問をしたつもりが、よく考えてみたら姉にも義兄にも失礼な発言だ。
「あ!ご、ごめんなさい。深い意味ではなくて…」
慌てて瑠璃が謝ると、ははは!と高志は笑い飛ばした。
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