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「それでは、我ら企画広報課の花火大会イベント、大成功を祝して」
「かんぱーい!」
小さな宴会場を借りての、ささやかな打ち上げ。
「清河さん!ビールお注ぎします」
「清河さん!お料理もどうぞ召し上がってください」
「清河さーん、写真撮りますよー」
賑やかな加藤や山下達男性社員に取り囲まれ、清河は終始にこやかに破顔していた。
次の日、いよいよ清河とはお別れだった。
車に乗る前に、瑠璃達、企画広報課のメンバーの他に、一生もお見送りする。
「清河様。本当にありがとうございました。当ホテルで清河様の作品を扱わせて頂けたこと、とても光栄に思います」
ありがとうございました、と一同揃って頭を下げる。
「こちらこそ、おおきに。楽しかったですわ。なんや、夢見てた感じですわ。ええホテルですなあ。また来させてもらいます。それまで元気でおらんとな」
照れたように笑う清河に、皆も笑顔で頷いた。
「お嬢ちゃん達、これ」
やがて清河は、瑠璃と奈々に何かを差し出す。
それぞれ手のひらに乗せられたのは、ガラス玉のネックレスだった。
「わあ、きれい…」
瑠璃には、深い群青色に細かく金を散らしたデザイン、奈々は、水色に虹を描いたデザインだった。
きっと二人のために作ってくれたのだろう。
「こっちは瑠璃色の星空、ほんでこっちは七色の虹の空や。瑠璃ちゃんと奈々ちゃんやからな」
「え…あっ!」
世界でひとつの、瑠璃達への想いがこもった作品。
瑠璃と奈々は、目を潤ませて清河に寄り添う。
「ありがとう…清河さん」
清河は、そんな二人の頭に優しく手を載せて何度も頷いていた。
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