サプライズ

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サプライズ

二人きりになった総支配人室。 早瀬を帰らせてホッとするかと思いきや、一生は逆に妙な緊張感に包まれていた。 (静かだ。何か話を…) そう思いつつ、何を話せばいいのか分からない。 「あの、もう定時を過ぎているから、上がってもらっていいよ」 とりあえずそう声をかけると、瑠璃は少し首をかしげた。 「でも…他にやることもないですし」 確かに…とデスクの上の時計に目を向けた一生は、ふと、Sep.19という日付けを見て、驚いて目を見開いた。 (しまった!そうか、今日は9月19日か!少し前まで覚えていたのに、俺としたことが…) 「あの、どうかされましたか?」 瑠璃がこちらの様子をじっと見つめている。 「あ、あの。ちょっと、奥の部屋で、待っていてもらってもいいかな?」 「え?部屋で、ですか?」 「ああ。実は、その、頼みたいことがあって…そう。うん」 ますます小首をかしげる瑠璃に思わず見とれていると、分かりました、と言ってデスクを片付けた瑠璃は、では失礼致します、と奥のドアへ消えた。
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