おみくじ

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おみくじ

 神社で彼はおみくじを引こうと思った。社務所へいった。  受付に妙齢の巫女さんが座っていた。そのすぐ手前におみくじの箱があった。  箱には百円玉を入れる穴があった。彼は穴へ百円玉を入れようとした。  巫女さんが彼へ話しかけた。彼女はある人のある奇妙な行動についての話をした。  話を聞いて、彼はその人へ百円玉をあげたくなった。 「その人へこの百円玉をあげてください」  巫女さんの前にコイントレーがあった。コイントレーには、小さな可愛らしい戦車が敷き詰められていた。百円玉を置くスペースがなかった。彼は巫女さんへ直接百円玉を手渡した。  巫女さんはコイントレーの戦車の中の一つをつまみ上げた。彼へ差し出した。その戦車には、白い坊主頭の子供の頭が乗っかっていた。彼は戦車を受け取り、社務所を去った。   参道を歩きながら、彼は巫女さんの話を思いそうとした。ある人のある奇妙な行動についての話を思い出そうとした。思い出せなかった。
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