美少女戦士たちの憂鬱

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美少女戦士たちの憂鬱

 ピピピピピと、目覚まし時計が鳴る。  それを止めて寝室のカーテンを開けた。    春の木漏れ日が部屋を満たす。  日差しが温かい。今日は晴れのようだ。  リビングに下りて、TVのスイッチを入れる。―――続いて次のニュースです―――と、聞き慣れたアナウンサーの声がする。    それはいつもと変わらない日常のワンシーン。  ―――これを受けて野党の追及はますます強まるものと予想されます―――  キッチンでケトルがピーと甲高く鳴っている。  ―――寄り切りで●●丸の勝ち。今日は優勝に王手がかかる一戦です―――  さわやかな風が窓から入ってくる。小鳥だろうか? チチチというかわいらしい声も聞こえてくる。遠くの方では犬が吠えている。通行人でもいたのだろう。  ―――本日の天気は晴れ。夕方からはところにより雨が降るでしょう―――  コーヒーの奥深く、鼻腔をくすぐるような香りがしてきた。それに混じってトーストの焼けた匂いがし、ジュ―というベーコンエッグを焼く音が聞こえてくる。    変わらない日常。これらは「今日も平和」ということの証だ。それは名前も知らない誰かが、どこかで、懸命に働き、それらの営みが幾層にも積み重なり合って維持しているに違いない。  こうしている間にも誰かが、どこかで、人知れず―――。    そう言えば、いつの頃からだったろうか。このような日常のニュースとともに当たり前になっているものがある。  ―――それではお待ちかねのコーナー、今日の”魔法少女”です―――  そうなのだ。  この街には魔法少女と呼ばれる”戦士”が存在する。  
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