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コメンテーターの男は女子アナの言葉を信じていない様子だ。女子アナは続けて話す。
「実際にスマホで撮影された映像がSNSやユーチューブで流れています。こちらの映像をご覧下さい」
映像が切り替わる。スマホで撮影されたであろう映像が画面に流れる。
映像はとある神社が映されていた。
カメラが神社の鳥居にゆっくり近づく。
よく見ると、鳥居近くの手水舎の隣で小豆を洗っている小汚いおっさんがいた。
いや、おっさんではない。妖怪の……小豆洗いだ。
「マジ、本物!? スゲー! 小豆洗いだ!」
撮影者は初めて見る妖怪に興奮している様子だ。しかし、小豆洗いらしき妖怪は撮影者を気にも止めずに、たらいの中の小豆を手でひたすらかき混ぜていた。
「あの、あずき、小豆洗い……ですよね?」
小豆洗いは撮影者を無視している。
「あの、握手して下さい!」
「ふー。あのさぁ、握手くらいなら別にいいけど、勝手に許可なく撮るの……やめてくれる?」
「あ、すいません!」
映像はそこで終わる。画面は再びスタジオに戻る。
「今の映像は高校生の男子学生が撮影した映像でした。ユーチューブではすでに今の映像がアップされており、なんと再生数が1千万回も達してます!」
「はははは。あれのどこが妖怪なんですか? ただのおっさんじゃないですか。笑わせてくれますね」
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