3人が本棚に入れています
本棚に追加
「以上がわしの自己紹介や。長くてすんまへんな」
「ようするに、ドロンジョさんは最近出没している妖怪とは違い、天照大御神様につかえていた大変ご利益がある妖精ということ……ですね?」
「そうそう」
「なるほど。で、話は戻りますが、さきほどドロンジョさんは『番組に出るつもりはなかった』と申してましたが、どうして出演を了承してくださったのですか?」
「あ、そうそう、その話がまだやったな。すんまへんな。実はな、最近とんでもない奴が現れたんや。 そいつの忠告を皆にする為に、こうやって全国ネットの番組に出ようと決意したんや」
「とんでもない奴とは? 誰のことですか?」
まさか、俺のことか? と一瞬思ってしまったが、パンも奢ってお金も貸してあげた俺がドロンジョに恨まれる可能性はあるはずない。
ドロンジョは小さくため息をつき、口を開いた
「妖狐や。 妖狐が現れたんや」
「妖狐……もしかして狐ですか?」
「せや。 簡単に言うと化け狐や。あいつがわしに化けて最近悪行やっとるらしいんや」
「悪行ですか? たとえばどんな?」
「わしに化けて人間に近づき、信用させたあと、お金を騙し取ってるらしいんや。悪い奴やろ!? わしにまで風評被害が出るし、本当迷惑しとるんや」
「なるほど。妖狐の忠告をするためにわざわざ番組の出演を決めてくださったのですか」
最初のコメントを投稿しよう!