『奢り』

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 「この神社はな、1800年前に建てられた神社やねん。パワースポットとしても有名な神社なんやで。だから御利益もちゃんとある。兄ちゃんの願いもちゃんと叶うやさかい」  人面犬はどや顔で神社のことを話す。だが、それくらいの情報ならグーグルで調べたから知ってる。いや、そんなことよりも俺は一つ確かめたいことがあった。  「ちょっと、聞いてもいいですか?」  「なんやなんや? なんでも聞いたらええがな」  「もしかして……あなたは妖怪ですか?」  「は? お前なに言うとんねん!?」  「人面犬ですよね? 妖怪ですよね?」  「妖怪ちゃうわ! わしは妖精や!」  「よ、妖精!?」  以外な答えに同様してしまう。  「そうや。この神社に古くから憑いている妖精や。確かにわしは人面犬やけど妖怪とはちゃう。妖怪と一緒にされたらかなわんやさかい」  『その顔の何処が妖精なんだよ』とつっこみを入れようと思ったが、怒鳴られそうな気がしたのでやめた。いや、それより、こいつが妖怪じゃないとなると恩を売っても意味がないじゃないか。少しだけ期待したのに。  「なんや残念そうな顔して。兄ちゃんもしかして、そんなに妖怪に会いたかったんかいな?」  「いえ……別に」  「妖怪よりも、妖精のほうがええよ。特にわしなんかこの神社と一緒で御利益ある妖精なんやから」  「ほ、本当ですか!?」  思わず御利益という言葉に反応してしまう。
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