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「勘違いですか」
「あぁ、いつ俺がお前達を助けると言った」
「えっ」
その言葉に団員達が困惑する。
「どういうことですか。我々より彼等を信じると」
レオンとジャンを睨みつける。
「信じるってのは少し違うな。君達は少し勘違いをしている」
この場にいる全員がユエルの言葉に困惑した。
「何で俺が何も見てないと思ったんだ。ここまで馬鹿にされたのは初めてだ」
ユエルが殺気を放ち団員達の顔が一気に青ざめる。
謝罪をしようとするが言葉を発することができない。
団員達は頭が真っ白になりユエルが話しだすまで何もできなかった。
「俺がいつから話を聞いていたか気になるよな。最初からだと言ったらどうする」
これにはレオンとジャンも驚く。
「なら、どうして最初から止めに入らなかったと今思ったろ。最初は俺が止めに入る必要はないと思ったんだだが、あまりにも酷いから止めに入ることにしたんだ」
面倒をかけやがって、と団員達を睨みつけるユエル。
さっきまでは貴族だから大丈夫だと高を括っていた団員達もユエルの態度をみて無理だと悟る。
「お前達は謝罪もできないのか」
呆れたように言い放つユエル。
「申し訳ありません、ユエル団長」
団員達が一斉に跪く。はぁーと深いため息をつくユエル。
「謝罪をする相手を間違っていないか」
その相手が誰を指すのかわかり苦虫を噛み潰したような顔をする。
誰も二人に謝罪をしようとしない。
「もういい、この件は王とお前達の団長に報告する」
「お待ち下さい。ユエル団長」
この場を去るユエルを追いかける団員達。
「なんだったんだ今の」
「さぁ」
ユエルが来てから当事者なのに蚊帳の外に置かれ勝手に解決。
あっという間に事が解決したので一瞬何があったのかわからなくなり二人はその場に立ち尽くす。
「……とりあえず、ユエル団長にお礼を言いに行くか」
「だな」
二人でユエル団長の後を追う。
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