四季の神

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四季の神

四季の神。 それは神々の王によって創られたこの世界で最も重要な役割を担う四神の神のことを指す。 あらゆるものを創造した王は生命をより美しく儚い存在にするために数多の神から四神を選び力と名を新しく与えた。  一神には命を宿す力を。  一神には成長させる力を。  一神には才能を与える力を。  一神には命を眠りにつかせる力を与えた。 王に与えられた力で四神が誕生させたのが春、夏、秋、冬の四つの季節。 そうして、出来た季節は四神の力によって天界と地上を新しく世界を創り変えた。 春は暖かくなり桜が咲き乱れ人々に喜びを与え命が芽吹いていく季節。 夏は新緑が美しく季節の中で一番海が輝き命が育っていく季節。 秋は葉が赤く染まり暖かさと寒さが交互に押し寄せ命が熟していく季節。 冬は真っ白な世界に覆われ最も神秘的な美しさを放ち命が眠りにつく季節。 四つの季節はどれも美しく神々だけでなく全ての生命に祝福された。 四神はさらに完璧な世界を創り出そうとしたが、天界からでは地上まで完璧にする事は出来なかった。 力の制御が上手くできず、いつからか季節が巡って来なくなる年が何年も続いた。 それを見兼ねた王が四神に地上に降りたち季節を創り出すよう命じた。 王は「天界が駄目なら地上でやればいい」と。 そうして、四季の神は自らの季節が巡ってきたら地上へと降り立ち世界を創り出す。 約九十日間四季の神は交代で地上で暮らすことが義務となった。  四季を繰り返すことたび四神はいつしか神だけでなくあらゆる生命達に知られていった。  春の王ジーク。  夏の王ゼイン。  秋の王シグレ  冬の王レイシー 王に与えられた名がいつからか知れ渡り祈りと愛が届きはじめた。 国や地域、人によって好きな季節は様々だが四神は全ての生命に愛された。 それだけ、季節の巡りはあらゆる生物の生きる楽しみや希望になっていたのだ。  四季の神は世界を維持するために未来永劫その身を捧げる。 そういう運命を王に与えられた。 数多のの生命の王であり、世界を創造した神。   その神の名は、光の王ルミナス。 ルミナスの命は絶対。 逆らうことなど許されない。 四神は人類が誕生する前から季節を巡らせ世界を守り続けた。
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