騎士団長

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今回の会議は議題が多く一歩間違えれば戦争に発展するのもあり、いつもより長引いたため疲れ果てたレオンが机に倒れ込む。 レオンは頭を使うのはあまり得意ではなかった。 団長であるが故に使わないといけなかったが出来ればやりたくはなかった。 「大丈夫か、レオン」 「うーん、何とか」 「今回はいつもの三倍くらい濃い内容だったからな」 先程まで行われた会議を思い出す。   普段は頼れる団長のレオンもジャンの前では少し甘えてしまう。 心を許しているのもあるがジャンの性格がそうさせているのだろう。 「そろそろ行くか」 「あぁ、待たせてすまない。ありがとう」 レオンの頭を髪がボサボサになるくらい撫でまわす。 「(可愛い奴め)」 心の中で呟くジャン。 部屋から出て馬車の所まで向かう。 広間までくると前から王族に仕える第一、ニ騎士団員達が前から近づいてくる。 「おやおや、これはこれは平民団長のお二人ではありませんか。こんな所で何を」 一人の団員が二人に話しかけると周りの団員達は馬鹿にしたように笑う。 「今日は年に一度ある団長会議の日だ」 ジャンがそう答えると団員達は鼻で笑いクスクスと笑い始める。 「あぁ、お二人も呼ばれているんですね」 「それはどういう意味だ」 「いえ、特に意味はありませんよ」 別の団員がお前達を団長とは認めないと遠回しに言う。 これ以上団員達を相手にしてもいいことは何もないと呆れたようにこの場を離れようとする二人に苛立った一人の団員が「お前達ってやっぱりそういう関係なのか」と失礼なことを言う。 「おい、今何て言った」 殺気立ったジャンがその団員に詰め寄る。
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