354人が本棚に入れています
本棚に追加
~最終話~
亮太は唾を呑み込んだ。
「あの時だよね? 亮太くんが私に『男運悪くないですよ』って言ってくれたの。その後……」
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってゆっこさん!! その先は言わなくていいです」
『ゆっこさんのこと好きですもん』
あの時の事は忘れることなんて出来ない。ずっと近くでゆっこさんを見ていたいって思って初めてはっきり気持ちを伝えた場所だ。その気持ちは今も変わらない。
「事故のあと、僕が『ゆっこさん』って呼んでいたのも覚えていなかったのに、めちゃくちゃ詳しく覚えているじゃないですか!」
「あははは、そだね」
「えっ?? ひょっとして・・・」
「うん、全部思い出した」
「ほ、ほ、、、本当ですか?」
亮太の目に再び涙が溢れてきた。
「うん。亮太くんいつも私のこと心配してくれてたよね。離婚した時もいつも心配してくれてたの亮太くんだったもんね」
涙を流しながら照れ笑いしている亮太が可笑しくなった。
「亮太くん泣いてるのか、笑ってるのかわからないよ 笑」
ポケットからハンカチを出すと涙を拭いた。
「亮太くんと一緒に居たら幸せにしてくれるのかなーって思った」
「えっ、えっ、ゆっこさん? ぼ、僕と」
「違う違う、一緒に居たら幸せにしてくれるんだろなーって思った。って言っただけだから」
「ちょっとー! ゆっこさん僕をからかってます?」
「からかってないよー。だって2度と恋愛しないって言ってたでしょ?」
「あー、確かに言ってましたけど……」
「でも、もしまた、もしもだけど、恋愛することがあったら亮太くんみたいな人がいいかな」
「もぉー! ゆっこさん? 今でもいいじゃないですか!」
「いやいや、今はない。だって……」
「だって?」
「私、慎重派だから」
《完》
最後まで読んで頂き有り難うございました。
2月10日に1ページ目をスタートしてから、途中編集に失敗したり誤字脱字もありながらも読者の皆様から指摘して頂き、何とか5ヶ月半毎日1ページ更新することが出来ました。本当に皆様に感謝でいっぱいです。
最後「進藤はどうなったんだ?」「結子と亮太はどうなるんだ?」って思ってくれる読者の皆様もいると思います。
結子と亮太の第2章が書けたら公開していきたいと思いますので、その時はぜひ読んで頂けたら嬉しいです。
短編小説「雨のち恋」も読んで頂けるとまた書いていく励みになりますので宜しくお願い致します。
それでは、結子と亮太を応援してくださり有り難うございました。ではまた🙇♂️
最初のコメントを投稿しよう!