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「へぇー、そんなもんですか?」
「僕は毎日がラブラブですよ」
黙って聞いていた亮太の1年後輩の菅野が言った。
「菅野は新婚なんだから、ラブラブじゃなかったらダメだろ?」
斉藤がすかさず突っ込みを入れると三人は笑った。
「藤川さんはどんな人がタイプなんですか?」
「うーん……」
どんな人がタイプかなんて急に言われると出てこない。頭の中で整理して答えた。
「んー、しょうもないことでも冗談交えながら笑って聞いてくれる人がいいかな? それが年上ならたまらんわ 笑」
「年上がいいんですか? へぇー、意外でした。藤川さん、絶対に年下がタイプだと思ったんですけど」
亮太は苦笑いした。学生時代に野球部の主将をしていたせいで引っ張っていくタイプでしょ? と言われることが多い。なぜ『引っ張る』イコール『年下の彼女』になるのかわからないが、そのたびに苦笑いしている。そもそも自分は引っ張るタイプでもないし、どちらかと言うとみんなの意見を尊重する調整型だと思っている。
「平川なんかいいんじゃないか?」
「えっ、、、あっ、あーそうですね」
唐突に放った斉藤の一言に亮太はドキッとした。
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