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「ゆっこさんの食べたいもの、だいたいわかるんですよねー 笑」
「えぇー、怖いんだけど 笑」
亮太が笑いながら乾杯するとトイレと言って席を離れた。
亮太を待つ間、携帯を取り出すと進藤からメールが入っていた。
〈昨日はお疲れ様でした。昨日は突然すいませんでした。返事は急がなくていいです。それとは別に今日美味しいって噂のお店を教えてもらったので来週行きませんか?〉
結子は読み終わると返信をすることなく携帯を閉じた。
ちょうど料理が運ばれてきた時、亮太が戻ってきた。
結子はポテトサラダを亮太の皿に取り分けながら聞いた。
「亮太くん、ゴルフ練習行ってるの?」
「たまに行ってますよ」
「今度、また私も連れていってほしいな」
「おっ、行きましょう! 練習は全然してないですか?」
「そうだね。亮太くんに連れていってもらってからやってないなぁ」
亮太は、こぼれんばかりの笑みを浮かべたかと思うと、破顔し涙が頬を伝った。
「ちょ、ちょっと亮太くんどうしたのよ?」
「すいません。ゴルフの練習、前に行ったのを覚えていてくれたから嬉しかったです。僕と2人で行ったこと全部覚えていなかったら寂しいと思っていたので、、、」
「バカー。少し覚えていないことがあるってだけで全部忘れてないからね!」
亮太は涙目でうんうんと頷いた。
「今坂山の夜景見に行ったことも覚えてるよ」
「本当に?」
「すごく寒かったのに亮太くんが階段登っていくから……でも、星が凄く綺麗かった」
えっ? ひょっとして……。
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